2019年11月15日金曜日

日本のガウディ、梵寿綱が手掛けた池袋の物件について調べてみた。

日本にもガウディ並の奇抜な建築家が実はいるんです。その名は梵寿綱。梵寿綱氏は日本の建築家でとても個性的な建物をデザインする方として有名です。氏がデザインした建物を一目でも見たら引き込まれること間違いなしです。 今回は梵寿綱氏が手掛けた池袋にある、とても個性的な物件についてまとめてみました。

梵寿綱について

ぼん・じゅこう

建築家。1934年東京生まれ。63年にREMINGTON-RAND LIBRARY BEAUREUX社(アメリカ)勤務、65年アメリカとメキシコ周遊を経て帰国、74年に梵寿綱を名乗り、梵寿綱とその仲間たちを結成、アート・コンプレックス運動を開始。主な作品に、「阿維智」「和世陀」「無量寿舞」「舞都和亜」など。

Information 書籍情報
『生命の讃歌 建築家 梵寿綱+羽深隆雄』

早稲田大学そばにある奇怪な建物「和世陀」を1983年に設計した建築家・梵寿綱と、旅館「仙寿庵」、鮨屋「銀座久兵衛・別館」などを手がけた建築家・羽深隆雄の2名を紹介する異色の建築作品集。

刊行:美術出版社 発売日:2017年 2月22日 価格:5800円+税 URL:http://www.bijutsu.press/books/2017/01/-praise-for-the-lifeworks-of-architects-takao-habuka-with-mentor-von-jour-caux.html
引用:https://bijutsutecho.com/magazine/interview/2727 

プロフィールをざっと見ましたが、そんな古くから本格的に活動してるとは知らなかったです。またなにもかも一人でやったというわけではなく、同じ志を持った仲間とチームを結成し、活動しているそうです。『生命の讃歌 建築家 梵寿綱+羽深隆雄』という本ではさらに梵寿綱氏について掘り下げているようですので、いつか手にとってみたいと思います。

梵寿綱氏の代表的な物件ドラード和世陀

早稲田駅から歩いて5分ほどの位置にある「ドラード和世陀」は、梵寿綱作品の中でも最もよく知られたもの。外壁に彫刻やモザイクが施され、曲線の目立つ建築は、まるで生命体のようです。建物そのものが語りかけてくるような魅力があり、周辺の建物とはまったく違うアートとしての存在感を示しています。奇抜な外観に見えて、年月が経過しても、その斬新さは陳腐化していません。これは近代建築では稀有なことだと言えるでしょう。それにしてもこれが賃貸マンションだとは驚きです。梵寿綱さんはこう語ります。「僕は、すまいとは、“住まい”でなく、“寿舞(すまい)”だと言っています。喜びの舞う中に人が生きる、そんな空間であるべきだと。僕は住空間に合理性を求めても意味がないと思う。小さな日常空間に効率を追求しても何も生まれません。人は日々のふるまいの中で、視点を変えながら、壁や天井や窓を見る。それによって気持ちも動く。そのときの心地よさや豊かさこそが大切。僕が志向するのは、そうした生活感情を触発する場、住む人の心を変える建築なのです」梵さんの仕事の進め方も、現在の基準では常識破り。
引用:https://4travel.jp/travelogue/10445385

ドラード和世陀は、私が唯一生でみたことある物件です。早稲田大学のキャンパスからすぐそばに位置しており、滅茶苦茶目立つ存在となっています。おそらく、梵寿綱氏がデザインした中で一番有名な物件かもしれません。1階部分に男性向けのサロンが入っており、そのサロンを利用すれば、合法的に建物の中に入れるので、いつか利用したいものです。

斐禮祈(ひらき):賢者の石

先日、豊島区の南池袋公園の近くにあるルボア平喜という建物の大規模修繕工事のご依頼を受けました。 梵寿綱という『日本のガウディ』と呼ばれる建築家による建築で、『斐禮祈(ひらき)賢者の石』という作品名がついています。建築様式としてはポストモダンっぽくもありますが、建築物というよりも美術品に近い佇まいです。施主様はこの建物の2階に事務所を構える『株式会社平喜屋』様という酒類卸業の法人様で、1階がストックヤード、そして3階より上がテナント様となっています。1階には平喜屋様が経営する『喜平(きっぺい)』という雰囲気の良い立ち飲み屋さんが入っています。また、平喜屋様では事務所横の試飲スペースで定期的に酒類の試飲会を開催しており、お酒好きには嬉しい 建物でもあります。
引用:http://three-v-amenity.co.jp/blog/blog_119.html

まず物件の名前が奇抜すぎますね。ゲームのRPGかなんかで普通に出てきそうな名前です。1階に立ち飲み屋が入っているようです。ドラード和世陀と同じく、この立ち飲み屋を利用すれば、合法的に建物の中に入れそうです。池袋でも飲み会はよくするので、今度自分が幹事するときはここの飲み屋を選んでみてもいいかもしれませんね。

ヴェッセル:輝く器

今回紹介するこの建築、1階が「鮮Q」という飲食店です。(新鮮な生肉や鍋のお店で値段もリーズナブル。) 梵寿綱さんの建築で中までしっかり入って利用できるお店もめずらしいので、このヴェッセルはかなりおススメです。店内はカウンター席とテーブル席、奥に小上がりのテーブル席があります。外はギラギラしていますが中は女性の方でも気軽に利用できる雰囲気で池袋では実はちょっと有名なお店でもあります。ちなみに内装は改装していることもあり竣工当初とはずいぶん変わっているところもありますが、随所に梵寿綱氏らしさを感じます。 こちらは入り口。「鮮Q」は少し見えている1階の奥です。最近2階のフロアにも拡大され、60席となりました。エントランスにある金属とガラスの装飾も必見です。油断していると見逃してしまいますが、エレベータの扉などよく見ると細かい装飾がちりばめられており目が離せません。また、建物の角には太陽やカエルの彫刻がさりげなく施されています。見つけるとものすごい主張しているように見えるのに、特に気にしないと見逃してしまうのは面白いですね。
引用:https://yamakenlab.com/archives/600025.html

相変わらずネーミングセンスがぶっ飛んでますね。この物件の名前も梵寿綱氏がつけているのでしょうか?この物件の1階には飲食店が入っており、しかもガッツリと建物の奥の方まで侵入することができるそうです。飲食店も超高級店ではなく、リーズナブルなお店らしいので、とても入りやすいのもグッドです。ガッツリと建物の中を見学したいというときはこちらのお店を利用するのがベストですね。

PETTI ETANG

池袋、ずっと探していたのだけど、みつからなかった梵寿綱の一点。そりゃもう見つかるわけないだろって立地にありました。住所がわかっても、探した、探した(笑)路地から見える部分は、ほんの少し、正面までいけば、おぉ~梵寿綱ってことになるんですけどね。この物件、写真スタジオだって噂で聞いていたんですが、どうも賃貸っぽい。エントランスの雰囲気は[和泉の門]に感じが似てます。Petti Etang 多分、小さい池とか言う意味なんだろうと思います。よくわからない(^^;鏡と傾斜したトップライトに使われたステンドガラスはどう見ていいかわかり難いですね。実物を見る以外ありません(笑)この場所に関しては、あのドラード早稲田で画廊をしている画家の[詩人画家]さんに頂いたリストに載っていました。詩人画家さんの絵はとても素敵で、よくまあドラードでお店を開いたなと感激して、時々、寄らせていただいています。ブログの方も是非訪ねてみて下さい。幅広く面白い話が聞けます。
引用:https://ameblo.jp/campanerula/entry-10467576277.html

梵寿綱氏の建物の中でダントツで見つけにくいのがこの物件です。他の2つの物件は池袋の繁華街の中にあったので、比較的見つけやすいのですが、こちらの物件に関しては住宅街の中に埋もれています。もし訪れる際はしっかりと下調べして行く方がいいかもしれませんね。ただ外観は梵寿綱氏の独特の癖がありますので、その癖さえ把握しておけば、自分の中のセンサーが感知して見つけることができるかもしれません。

まとめ

池袋だけでも、梵寿綱氏のてがけた物件が3つあるのは驚きです。しかもこの3つのうち、2つは飲食店が入居しているので、合法的に建物の内部を見ることが出来ます。氏の代表作は早稲田、池袋以外にもあるそうなので、いつかまた情報をまとめてみたいと思います。今回の記事で梵寿綱氏に対して興味がわいてきた方がいれば幸いです。ぜひご自身の目で氏の作品を見てくださいね。